今年も韓国の光復節が訪れた(写真:代表撮影/AP/アフロ)
  • 今年も韓国に光復節の時期がやって来た。この時期は、韓国中太極旗がはためき、独立運動家と呼ばれる人物たちの功績が称えられる。
  • だが、光復節に日本に行く韓国人がいるように、韓国人の心をがっちりつかんでいた反日精神も、最近は存在感を失い始めている。
  • そんな8月15日を前に、「日本の敗戦によって韓国は自力で独立する機会を失ったのでは?」と韓国のSNSにつぶやいてみると……。

(立花 志音:在韓ライター)

「あ、ママ! 太極旗がかかってる。あそこ!」

 今年6歳になる娘が、マンションの上の方に誰かが掲げたのであろう、韓国の国旗を見つけた。

 去年まで、娘は太極旗のことを「大韓民国」と呼んでいた。その時はあえて訂正しなかったのだが、「こういうこと」は幼稚園できちっと覚えて帰ってくる。さすが大韓民国である。

 そうか、今年も8月15日が来るのだ。その日を韓国では「光復節」と呼び、不法に侵略してきた日本との戦いに打ち勝って、独立したという記念すべき日だ。

 娘が街角で韓国の国旗を見つけた日は、光復節の4日も前のことだった。旗の持ち主は15日を心待ちにしているのだろう。

例の妻と光復節の式典に臨む尹錫悦大統領(写真:代表撮影/AP/アフロ)

 8月15日が来るたびに、この国の浅はかさ加減を痛感する。

「わが国には、日本に国を不法に奪われ、圧迫を受けた歴史があります。独立のために自らの命を犠牲にして戦った人たちがいます」として、アベンジャーズ的に独立運動家と呼ばれる人物たちの功績が称えられる。

 反対に1905年11月17日に締結された第二次日韓協約(韓国では乙巳条約と呼ばれている)に協力した当時の外交部長官たち5人は、乙巳五賊と呼ばれ、大韓民国の売国奴だと100年以上たった今も激しく糾弾されている。

 その子孫たちも、人物を特定され、財産を没収されるなどの攻撃を受けている。

 これは、文在寅前大統領の師匠とも呼べる、ノムヒョン大統領の在任期間だった2006年に可決、公布された「親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法」という法律の結果である。親日派及びその子孫の財産を選定して国家に帰属するという法律である。

 当時、保守系新聞「朝鮮日報」は「法令の効力はその法の施行時以前には遡って適用されない」という「法の不遡及(事後法)」に該当するのではないかという指摘を何度もした。しかし、そんなことはどこ吹く風、憎き親日派を根絶するために、現在もこの法律は有効である。