全羅北道セマングムで開催された世界スカウトジャンボリー大会(写真:YONHAPNEWS AGENCY/共同通信イメージズ)
  • 8月上旬、世界中のボーイスカウト、ガールスカウトが集まる行事が韓国で開催された。世界スカウトジャンボリーである。
  • だが、熱中症などの症状で搬送された人は開会から2日間で400人超。シャワーやトイレなどの衛生状況も劣悪で、米国や英国は参加者を韓国内の基地などに避難させた。
  • そんなずさんな運営に批判が集まったが、主催者である韓国の女性家庭部は謝罪することもなく開き直った。その姿に、韓国の国民性を感じる。

(立花 志音:在韓ライター)

「ママ! 明日、プールの日になったから、水着着て来なさいって先生が言ってた。台風が来るんだって!!」

 幼稚園の年長組に通う娘が、通園バスを降りてくるなり興奮気味に話し始めた。
夏休み中でも、娘は預かり保育に通っている。保育園に通わなかったのは、8月の第1週に一週間の休みを過ごした時だけだ。

 娘が通っている幼稚園は市立小学校附属の園で、預かり保育も含めてすべて無料。昼食も出るので、ありがたく通わせてもらっている。

 韓国では筆者が知る限り、小学校から高校まで給食が実質無料で、「給食費」と呼ばれるものを払った記憶がない。

 韓国人はもともと、「食べたい。食べさせたい」という欲求が強い民族だ。夫がこどもの頃でさえ、食べていくのに困った時期があった国である。その反動で、子供たちにはおいしいものをお腹いっぱい食べさせてあげたいという文化が、様々なところで垣間見える。

 現に、預かり保育が休みだった間に、自治体主催の親子キャンプに行った時も、3回の食事がすべて用意されていた。プール付きの宿泊施設である。バーベキューも食べ放題、子供たちのお菓子にジュースにアイスクリームと、とにかく食べるものがたくさんあった。

 翌週には、義父母と夫の弟家族の総勢10人で、川岸にあるキャンプ場に日帰りで行ってきたのだが、とにかく皆、食べるものを山のように持ってくる。そして、水遊びに夢中になっている子供たちに、食べろ食べろと言うのだ。

 筆者があっけに取られていると、「なんで食べさせないんだ。子供たちの面倒をちゃんと見てやらないとだめだろう」と言う。昔の韓国人にとって、食べさせることが面倒を見ることなのだ。それほど、食べる物に困っていた国だったのだろうと、筆者は推測する。

 好きなものを食べたいだけ食べて、思いっきり泳いで遊んだ子供たちは、大満足の様子だったが、筆者にとっては遊びに行ったのか、暑い中、食べ放題ツアーに行ってきたのか、わからないなと思ってしまう休暇であった。

 ここ数年、韓国の夏は暑い。東京出身の筆者に言わせれば、ここは八王子か、もしくは熊谷かと言ったところだ。暑すぎて公園で鬼ごっこなんて不可能な話だ。

 そんな灼熱の韓国で、世界中から集まった青少年たちが熱中症にかかるというとんでもない話が起きたのだ。