我が子の大学合格を祈ってろうそくを置く韓国の親。大学修学能力試験は韓国人にとって人生の一大イベントである(写真:AP/アフロ)

「お母さん、毎日家にいて、嫌にならないの」

 突然、息子が聞いてきた。筆者は中学3年から3歳まで3人の子供がいる。子育てをしながら働いていて、息子の帰宅時には家にいる。

「15歳にして、もう世の中が嫌になった。もっと楽しく生きたい。日本は“ゆたぼん”のような自由な生き方もあるみたいだけど。この国じゃ無理だね」

 息子はそう言って部屋でオンラインゲームを始めた。

 ただの5月病かと思ったが、そうでもないらしい。中学生YouTuberのゆたぼんを知った韓国の地方都市に住む中学3年生が、やみくもに勉強するだけの毎日に嫌気がさしたようなのだ。

 YouTuberのゆたぼんは、小学校に宿題をして行かなったことがきっかけで担任教師とトラブルになり、不登校になった。今年の3月、小学校を卒業したゆたぼんは髪を染めていたことから卒業式に参加できず、校長室で一人卒業式を行ったという。

 自身を少年革命家と名乗って「人生は冒険だ、自由に生きよう」と主張し、中学校に通うことなく、好きなように生きている。筆者はゆたぼんの主張に同意はしないが、日本は韓国と違って中学生が主張できる自由がある。

 韓国は学歴社会で、熾烈な競争社会でもある。また日常的に反日教育を行っている。幼稚園のお遊戯会や小学校の運動会で「竹島は韓国の領地」と子供たちに歌わせ、日本の旭日旗は戦犯旗だから徹底的に反対しなければならないと教えている。

「最近、旭日旗がファッション的に流行している。韓国の子供たちと保護者に、正しい知識を持ってもらう公開講座を行う」と書かれたプリントが学校から配られたこともある。