写真はすべて筆者写真はすべて筆者

・高さとデザインが生む圧倒的な美しさ
・明治時代に建てられていまだに現役(4基)
・国の重要文化財(3基)
・しゃれたデザインが風景にマッチ
・灯台以外に何もない島ですごすゆったり時間
・山道を登ってたどり着く静かな場所
・小さい岩に立つ孤高な姿

 このような多様な個性を持つ7基の灯台を7時間で見て回ることができる場所がある。それは山口県下関だ。

 JR下関駅付近を朝8時に出発すれば、7カ所を堪能して夕方5時に戻ってこられる。その多少マニア感のあるルートを紹介しよう。なお、自家用車かレンタカーの利用を想定している。

 今も昔も、本州(下関)と九州(門司)を隔てる関門海峡は、船舶航行の要所であり、古くから灯台がいくつも作られてきた場所だ。

あるかぽーと東防波堤灯台、下関外浜町防波堤灯台(8時)

 下関駅の近く、魚市場や水族館などがある唐戸港に、2つの防波堤灯台(あるかぽーと東防波堤灯台・白塗装、下関外浜町防波堤灯台・赤塗装)がある。防波堤自体も含め、いま風のデザインで、きれいに整備されている。

 後ろには下関と門司を結ぶ関門橋(高速道路)も見え、広々とした関門海峡の景色を楽しめる場所になっている。

 ちなみに、白と赤の塗色には理由があって、防波堤灯台は港の奥に向かって右が赤、左が白と塗色が決められている。

部埼灯台(9時)

 ではその関門橋を通って下関側から門司側に渡ろう。

 部埼灯台(へさきとうだい、福岡県北九州市)は、瀬戸内海から西に向かう船に、関門海峡の入口を示している。江戸時代末期、イギリスは、兵庫開港のために幕府と「大坂約定(大坂条約)」を結び、関門海峡や瀬戸内海に5つの灯台を作らせたが、そのうちのひとつだ(旧暦明治5年1月、初点灯)。

 石造り、半円形の付属舎(塔の下部にある部屋)など、明治初期の典型的な形をしている。このあとに行く六連島灯台と角島灯台とともに、国の重要文化財に指定されている。明治初期、諸外国に追いつこうと奮闘していた時代のものが、いまでも現役稼働している姿は感慨深い。