キャリアを重ねても、老害にならずメンターとなるにはどうすればいいのだろうか(写真:fizkes/shutterstock)キャリアを重ねても、老害にならずメンターとなるにはどうすればいいのだろうか(写真:fizkes/shutterstock)

 キャリアを重ねた人の言動が時に「老害」とされることがある。一方で、「老害」の対義語とも言われる「メンター」(仕事、キャリア、ライフプランなどについて助言などをしてくれる、信頼のおける相談相手)として、指針とされるような人もいる。

 カリスマ社長や政治家、教育者など、尊敬されるべき実績や経歴がある人ほど、本人も周囲も気づかないうちに「ハードな老害」に転じるもの。老害とは何か、そしてメンターとは何か。『メンターになる人、老害になる人。』をひも解きながら見ていく【3回目】。(前田 康二郎:流創株式会社代表取締役)

※前田康二郎著『メンターになる人、老害になる人。』(クロスメディア・パブリッシング)から抜粋、一部編集した。

【1回目】年をとってもメンターとして頼られる人、老害として避けられる人は何が違う?
【2回目】レビューサイトで5点をつける人と1点をつける人は何が違うのか、文体からわかる老害度自分の“つい”を抑えられない人

「舌は火」という言葉があります。人間のからだの器官からすると、舌は本当に小さなものですが、その舌から出たほんの一言で、自分も含めた辺り一面を焼き尽くす大火を引き起こしてしまうこともあります。

 メンターであった人もたった一言の暴言、失言で老害認定されてしまいます。それだけ「舌」のコントロールは大切なのです。

 ここでは自分の舌から火を出さないように制御をし、メンターであり続けるコツをお伝えします。

 メンターと言われるような人でも、「つい舌が乱れてしまう」のはどのような時でしょうか。それは「自分の考えを否定されたり、意見が通らなかったりした時」です。

 豊富な経験や知見を通して得た考えや意見を「良かれと思って」提示したのに、にべもなく否定、却下、無視された時「まあそういうこともあるか」と受け流せる方はいいのですが、そうでない場合は感情的になり、舌も乱れます。そして老害と言われてしまうことを起こしてしまいがちです。

 実際にどのようなことをしてしまう恐れがあるかを見ていくことで、万が一その状況になった際にすぐ頭でシミュレーションをして冷静に対処することができ、舌を制御できることと思います。