キャリアを重ねた人の言動が時に「老害」とされることがある。一方で、「老害」の対義語とも言われる「メンター」(仕事、キャリア、ライフプランなどについて助言などをしてくれる、信頼のおける相談相手)として、指針とされるような人もいる。
カリスマ社長や政治家、教育者など、尊敬されるべき実績や経歴がある人ほど、本人も周囲も気付かないうちに「ハードな老害」に転じるもの。老害とは何か、そしてメンターとは何か。『メンターになる人、老害になる人。』をひも解きながら見ていく【2回目】。(前田 康二郎:流創株式会社代表取締役)
※前田康二郎著『メンターになる人、老害になる人。』(クロスメディア・パブリッシング)から抜粋、一部編集した。
【1回目】年をとってもメンターとして頼られる人、老害として避けられる人は何が違う?
レビューサイトで1点をつける人の特徴
レビューサイトで5点をつける人と1点をつける人には文体の明確な違いがあります。それは、5点をつける人はお店や商品など対象物そのものを主役と捉えてコメントするのに対して、1点をつける人は自分を主役にしてコメントをしている点です。
「老害」と言われる人は、お店や商品のレビューをするという体裁を利用して「自分はいかにすごい人間か」を自慢して承認欲求を満たすことが目的であり、「このレストランがもっと流行ってほしい」「この商品がもっと改良されてほしい」などとは思っていないわけです。
彼らは稲盛和夫氏や松下幸之助氏の書籍に1点をつけて「私は上場企業の役員経験者だが、この著者は……」と書き込むようなことはしません。そのような書き込みをしたところでほとんどの人は稲盛氏や松下氏のほうが正しいと判断し、その1点のレビューを承認しないからです。
だから多くの1点をつける人は、たとえば書籍でしたら自分の属性(学歴、社歴、実績、年齢など)より「下」の著者の作品を見つけて酷評し、自分を承認してもらおうとします。
一般社会でも「属性が弱者」の人達が老害のターゲットになりやすいのは皆さんも周知の通りです。それは大人の世界に限ったことではありません。