トマトの異常な高値が続いている

 大きいサイズのトマト1個が320円、3個入りパックが税込み750円。

 史上かつてない、狂乱的な野菜価格の高騰が日本列島を襲っています。

 原因ははっきりしており、この夏の異常な猛暑で苗が発育不良となり、実を結ばなかったから。結果、例年の3倍程度の値をつけているという。

 被害はトマトだけに限らず、ネギや白菜など様々な野菜が記録的な値上がりを見せています。

 その影響は、庶民の口に入る入らないといったレベルから、飲食店の価格設定まで、広範に深刻な波及効果が出始めているようです。

 ということで、今回は「野菜高騰」の源流を訪ねるとともに、日本の野菜の行方も考えてみたいと思います。

地球気候変動が日本の食卓を捻じ曲げる

ネギ1本160円(前年平均98円)、

大根1本199円(前年平均187円)、

ニンジン1袋229円(前年平均174円)、

白菜4分の1カット159円(前年平均137円)、

 軒並み平年の1.2~1.5倍程度に高騰する今年の日本野菜。極めつきは冒頭にもあげたトマトです。

トマト1個299円(前年平均126円)と平年の2~4倍近い値をつけている2023年秋の日本。

 このトマトで考えると、トマトは温暖な気候を好む野菜ですので、平年は春から夏、秋にかけて北海道産の品が店頭に並ぶとのこと。

 9月末頃に「北のトマト」が終わると、茨城から熊本まで「南、西のトマト」の出荷が始まり、一年を通して流通が途切れないよう調整されるのが、きちんと回っている状態での「日本トマト事情」です。

 ところが、今年は猛暑のため北海道のトマト出荷が8月で途絶えてしまったのです。参考まで、観測の始まった1877(明治10)年から今年まで146年間の、北海道8月平均気温の推移を見てみましょう。

 今年の8月を赤い○で囲って示しました。頭一つ抜けて、今年が明治初年、西南戦争以来の記録的な猛暑であったことが分かると思います。

 同時に、この150年間で明らかに右肩上がりの傾向が確認されることにも注意しておきましょう。これがつまり「地球温暖化」気候変動の現実ということになります。