晴海・勝どきのマンション群(写真:共同通信社)
  • 新駅の誕生や大規模再開発によって周辺の不動産価格が上昇するという現象は広く知られているが、実はこれ以外にも周辺の値上がりが期待できる事例がある。
  • それは、某不動産デベロッパーが分譲するエリアの近隣物件に投資すること。このデベロッパーは強気の価格設定を崩さないので、それにつられて周辺のマンション価格が上がるケースが後を絶たない。
  • 海外のマネーが流入し、都心部の不動産価格の上昇が続いているという前提があってのことだが、価格の上昇で不動産投資の選択肢が減っている現状、一つ傾向として、頭の中に入れておいてもいいのではないか。

(沖 有人:スタイルアクト代表取締役)

 マンション相場の上昇はいまだ続いている。その中にあって、新築物件が与える価格への影響はみなさんが想像している以上に大きい。新築価格の上昇につられて周辺の中古相場も上昇するという構図となっているからだ。

 最も典型的な相場上昇は新駅の誕生と大規模再開発だが、それとは別の要因もある。それは、新駅と再開発以上に頻度が高いので、今後もコンスタントに狙い目エリアが生まれる可能性がある。

 先ほど指摘した相場上昇のトリガーとなる新駅と大規模再開発は限定的だ。新駅がつくられることはほとんどないし、あってもかなり先の話である。

 大規模再開発はネットを探せばある程度、予見できるが、めぼしいものは限られているうえに、不動産価格の高い都心に集中しており、平均的な会社員が手を出せる金額ではない。因果関係があったとしても、購入できる確率はかなり低いだろう。

 今回の話は、某デベロッパーが供給する物件の近くが値上がりする傾向があるという話だ。

 その会社は相場よりも高く売ることで有名である。物件価格がかなり高いので販売期間は長く、竣工までに売り切れたことも最近ではほとんどない。物件によっては5年以上販売しているものもある。竣工後、1年が経過すれば未入居であっても中古扱いになるが、そんなことおかまいなしだ。