(川島 博之:ベトナム・ビングループ、Martial Research & Management 主席経済顧問)
中国は共産党が統治する超格差社会である。
上位500万人ほどの超富裕層が個人資産の3分の2を所有している。個人資産の合計は430兆元(約8600兆円)と見積もられているから、超富裕層は1家族当たり約34億円を所有していることになる(1家族3人として計算)。
中産階級は約1億人、その平均資産額は約6000万円。残りの13億人は庶民だが、その平均資産額は約150万円に留まる。中国が想像を超えた格差社会であることが分かろう。
ただ、近年の経済成長に伴い、庶民でも上位3分の1程度(約5億人)は数百万円程度の資産を所有しているとされる。そうなると庶民の3分の2はほとんど資産を持っていないことになる。実際に、人口の約半数を占める農民や農民工はほとんど資産を所有していないことを考えると、以上の数字は中国社会の実態をよく表していると言えるだろう。