(山下 和之:住宅ジャーナリスト)
2021年の東京オリンピック・パラリンピックの選手村として利用されたあと、分譲マンションにリノベーションして販売、人気を博している「HARUMI FLAG(以下、晴海フラッグ)」。このほど、その最後を飾るべく販売が始まろうとしているのが、開発地の中央に建設される50階建てのツインタワー「HARUMI FLAG SKY DUO」だ。
最高倍率100倍超の人気をつけた部屋も
晴海フラッグは東京都中央区晴海五丁目にあり、約18万m2という敷地に三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、野村不動産、住友不動産など大手11社が共同開発している大規模開発物件である。分譲住宅4145戸、賃貸住宅1487戸のほか、店舗・保育施設、介護施設、商業施設なども入る複合開発で、都心近くでは珍しいコンパクトシティーになる。
中高層の板状マンションは2021年に東京オリンピック・パラリンピックの選手村として利用されたあと、分譲マンションにリノベーションして分譲され、たいへんな人気となった。選手村としての活用が大前提であったため、東京都が安く土地を卸したこともあり、周辺相場よりかなり安い価格設定で販売されたことも人気を後押しした。
その結果、2021年11月から12月にかけての第1期・第2期販売の631戸は、平均8.7倍、最高倍率111倍で完売した。2021年度の東京都区部の新築マンションの平均価格8449万円に対して、晴海フラッグは4000万円台、5000万円台が中心なので、人気になるのも当然だろう。
その人気は2023年に入っても続いており、板状マンションの最終期の最高倍率は266倍に達したほどだ。