10月11日、札幌市と日本オリンピック委員会は、正式に「2030年札幌オリンピック招致を断念」と発表しました。
背景の一つに、大阪万博不調の報道と、それによって道民の反対が広がった経緯などもあるようです。
力学には作用反作用の法則があります。
それと同じように札幌五輪断念を期に、大阪万博も見直すべきではないか、というのが本稿の趣旨になります。
四面楚歌の「大阪万博」
しばらく前になりますが、何ともはやな全包囲状況を目にしました。
日本経済新聞がヘッドラインを打って、「日本共産党大阪府委員会」が「万博中止を求める声明を発表した」ことを報じたのです。
あえて言えば、日経は中道ないし体制側の見解を報じる場合が少なくない、ソロバンに則して合理的なメディアだと思います。
その日経が「共産党大阪府委員会」の声明として「会場建設費の上振れや建設準備の遅れなどを指摘し『国民が物価高で生活にあえぐなか、事業をやめなければ負担をさらに強いられることになる」と報じている。
そのうえで「運営主体の日本国際博覧会協会(万博協会)が発注するメイン会場やパビリオンなどの建設費は政府と大阪府・市、財界が3分の1ずつを負担する仕組みだ。当初1250億円と計画していたが、デザイン変更などで2020年に1850億円に増額(中略)さらなる上振れ懸念も出ている」と、日経らしく数字を押さえます。
他方、日本共産党側の発表を確認してみると、こちらもまさに共産党らしく「理念を見失った開催は中止を」とスローガンが冒頭にある。
また別の意味で共産党らしいと思いますが、国会質問同様、ヒトものカネの流れを押さえて次のように指摘しています。