最初に2つほど「なぞなぞ」をお出しします。考えてみてください。
いずれも現行のAIでは正解を期待しにくく、人間さまだからこそ答えられる問題です。
問1(古典):次に示すのは「賦しもの」と呼ばれる江戸時代のなぞなぞである。意味を解釈してみよう。
① 風呂の中に床がある
② 水にかきまぜた
問2(地理):高知県と香川県では、ある重要な資源をやりとりしている。資源の名称と、このようなやりとりが生じる理由を、この資源の供給と消費の両面から、あわせて3行以内で説明してみましょう。
おや、なぞなぞ、といいながら、後半は何か、いかにも問題っぽくなってますね。いったい何の問題なのでしょう?
お勉強秀才ではない、東大が求める人材像
2番目の「問題」は、実は東京大学が令和2年2月に実施した「地理」の問題の実物、つまり東大は「なぞなぞ」を出題している側面があるわけです。
大学は、詰め込みでお勉強してきた秀才というより、その場で機転の利く、地アタマの良い子が欲しいですから。
この問題については、我々東京大学内部の教官が書きにくいことをきれいに記したコラムががあったので、取り上げてみました。
このコラムの良い点は「言葉に対する感覚を鋭くした方がよい」という主張と思います。
また「言葉に対する感覚が鋭ければ東大に受かる」という論旨ながら、では、どうすれば言語に対する感覚を研ぎ澄ますことができるか、何も記載がありません。
これはよろしくないと思いましたので、本稿を準備したものです。
まず第1の「なぞなぞ」から考えて見ましょう。この「賦し物」は山﨑元男博士の「菫程な論文集」から引用しました。