今年4月に行われた統一地方選挙で、他の候補に大差をつけて当選し、大阪府知事の続投を決めた日本維新の会の共同代表を務める吉村洋文氏。大阪市長選挙でも、維新の横山ひでゆき氏(元大阪府議会員)が当選した。
吉村氏は会見で、「府民のみなさんと約束したことを必ず実行する」と語ったが、維新政治の矛盾を指摘する声も少なくない。「維新政治は嘘ばかり」と語る日本城タクシー株式会社、代表取締役の坂本篤紀氏に真意を聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト)
──坂本さんは維新政治をどう見ていますか、維新政治の特徴や政治手法について感じていることを教えてください。
坂本篤紀氏(以下、坂本):私はよく「維新に批判的」などと言われます。維新を支持する方々の中でも、反対意見に聞く耳を持たない、議論にもならない維新の信者、通称「イシンジャー」には、私の意見は批判的に聞こえるのかもしれませんが、私の感覚では、ごく普通のことを指摘しているに過ぎません。
年収が2億5000万円あるわけではないし、イーロン・マスクみたいな稼ぎ方をしているわけでもない。そんな私からすると維新の政治感覚は肌に合わない。
たとえば、維新が謳う「教育の無償化」などがそうですが、彼らは平気で前言を翻す。
「完全無償化ですよ」「私立高校にただで通える」などと言い切っていましたが、実際には「上限」や「所得制限」などについて、いまだに議論している最中だという。「なんや、やってなかったんかいな」という話です。
しかも、この10年で公立学校を10校以上閉鎖している(昨年8月の時点で、大阪府は10年間で15校の高校を廃校にする計画を立てている。廃校が検討されている学校も含めると、2014年度から2023年度の間に廃校する学校の数は17校になる)。
もともと入学金も授業料も安い公立を閉めて、「私立に行きなさい」は政策としておかしい。
──維新と言えば新自由主義というイメージがあります。大阪でもいろんなことを民営化してきました。