AIの進化とともに世の中の景色も変化している

 以上のように、AIなどのテクノロジーの進化によって人間のほとんどが失業してしまう未来像が見えるものの、景色が変わることによって「潜在」「未発現」「復旧」などのニーズが発生する未来像も見えてきます。

 さらに、テクノロジーの進化で人間の仕事が置き換えられてしまう一方で、これまでは戦力として活躍しづらい状況に追い込まれていた人材を輝かせ、職場の風景を一変させる可能性だってありえます。

 例えば、もしAIに口頭で指示するだけで、パソコンで行う処理のほとんどをこなせるようになった場合です。

 パソコン操作の仕事はAIに代替されてしまう一方で、「パソコンで情報収集したり資料作成するのは苦手だ…」と感じていたシニア人材が第一線に復帰し、AIに指示を出しながら、長年培ってきた経験とノウハウを活用してトップランナーとして活躍し続けるといった風景が、職場で当たり前になるかもしれません。

 いま目の前に広がっている景色を前提にすると、AIがもたらす脅威にばかり目が奪われ、ともすると人間のほとんどが失業してしまう絶望的な未来を想像してしまいがちです。しかし、AIの進化とともに世の中の景色も変化していきます。

 ノストラダムスの予言で滅びたはずの世界をすでに24年も生き抜いてきた人類は、そんな変化の先にある景色に、きっと新たなチャンスを見いだすことができるのではないでしょうか。