「未発現ニーズ」「復旧ニーズ」がもたらす仕事

 次に「未発現ニーズ」がもたらす仕事もあります。ただ、未発現ニーズは実際に世の中の景色が変わるまでハッキリとは見えてきません。インターネットが普及する前にGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)が世界をリードする巨大企業となり、多くの雇用を生み出すなどと予測することは、それらの会社を創業したような一部の天才を除いて、不可能だったと思います。

 しかし、インターネットが世の中の景色を一変させるにつれて未知のニーズが発現し、検索エンジンやSNS、動画配信、ECサイトといった、これまで存在しなかったサービスが提供され、それに付随して新たな仕事も生み出されました。スマートフォンやドローンなどもまた、未知のニーズを発現させ、たくさんの新たな仕事を生み出しています。

AIの進化が未知のニーズを発現させ、新たな仕事を生み出す

 最後は「復旧ニーズ」がもたらす仕事です。一度AIに任せた仕事でも、大きなエラーが生じたりすると任せられなくなり、再び人間が対処しなければならなくなるという事態が起こり得ます。AIに任せたからといって、その状態が永遠に継続できるとは限りません。

 例えば、採用選考をAIに任せたとしても、女性や高齢者が不利になるなど不当な偏りが見られたりすれば、プログラムを改修して偏りが改善されるまで任せられなくなります。そのような場合、カバーするのは人間です。また、AIは機械なので停電や電力不足などの緊急事態で電源が使えなくなると機能しなくなります。そのような際にも、人間のカバーが必要です。