防災などの都市インフラで「手抜き」か

 今回、北京の洪水のすさまじさが大きく報道されているが、北京市を守ろうと河北省に対して予告なく行われた永定河などの「泄洪」(水門を開いて河水を放出する)の結果南部にある70万人が暮らす河北省涿州市が水没したのはまさしく「人災」だ。

 また過去40年の都市開発の在り方が問題だったという声もある。奇抜な形の高層ビル建設など表面的な繁栄を追うばかりで、防災や排水など目に見えない都市インフラ建設に手抜きをしてきたせいだという批判も起きている。

 門頭溝の水害がここまでひどかったのは、単に予期せぬ長時間の集中豪雨のせいだけでなく、近年、郊外観光地として開発が進められていたこの地域が、表面上の景観ほどには地下インフラが整備されていなかった、という地元民の批判の声もSNSなどであがっていた。

 ドイツ・日本の植民時代にインフラが整備された青島で、これまで水害が発生したことがないことを例にあげて、中国の都市計画、都市開発の未熟さを指摘する声もあった。