次は中小国駅の写真。これまで紹介した駅と2つの大きな違いがあるのだがわかるだろうか?
1つめの違いはレールの色だ。レールは銀色に光っていて、赤錆びていない。つまり、今現在も列車が通過していることを示している。
2つめは架線だ。大平から三厩までの写真を見返してもらうとわかるが、線路に架線がない。つまり非電化区間で、ディーゼル車が運行されていたのだが、ここは電化されているということだ。
どういうことか。答えは前述した「海峡線」にある。
海峡線は、中小国から青函トンネルを通り、北海道の木古内(きこない、北海道木古内町)を結ぶ路線だ。北海道新幹線が開通する前は特急や快速などが、津軽線、海峡線、江差線(現道南いさりび鉄道線)を経由して青森と函館を結んでいた。
その後、北海道新幹線が開通して海峡線を使う定期旅客列車はなくなったが、貨物列車は本州と北海道を結ぶ重要な輸送手段として、現在も多くの本数が運行されている。
海峡線は、中小国駅の先(三厩方向)の新中小国信号場で津軽線から分岐したあと、北海道新幹線と合流。青函トンネルを通って木古内まで同じ線路を使う。ただし、津軽線のような在来線と、新幹線とではレールの幅が異なるので、この共通区間では3本のレールを使い、どちらの列車も走れるようになっている。
中小国駅付近のレールが錆びていないのは、貨物列車が毎日何本も通過しているからなのだ。
そして、不通区間が終わりとなる蟹田に到着した。蟹田と青森の間は従来通り1日9往復の列車が運行されている。