ひっそりと列車を待つ不通区間の駅

 不通になってから1年弱が経った2023年6月、列車の来ない駅はどうなっているのか、蟹田以北の全7駅を訪ねた。

 まずは津軽線の終点である三厩駅だ。

 三厩は一時期青函トンネル建設の際に工事の拠点としてにぎわった。だがその時期以外、龍飛崎まではまだ距離があるので観光客は使いづらく、三厩の中心地から少し離れたところにある三厩駅は、さみしい(だが味のある)終着駅だった。統計数値のある2018年の1日平均の乗車人員は25人。運行列車は1日5往復という閑散路線だった。

津軽半島最北端の終着駅、三厩駅(外ヶ浜町)
待合室の壁には、旅情を感じさせる絵画・写真が並ぶ

 不通になってまだ1年だからなのか、それとも誰かが掃除をしているのか、三厩の駅舎内は思ったより現役感があった。

 しかしホームから見える赤錆びたレールは、長い期間、列車が運行されていないことを物語る。

三厩駅ホームから青森方向を見たところ