橋桁の高さまで積み上がった大量の流木

 そして、この先が問題の区間だ。津軽二股から大平(おおだい)まで、津軽線は津軽山地の中を通り抜ける。途中駅はない。航空地図をみれば、この山間を抜ける区間に被害が集中したのもうなずける。

津軽二股駅と大平駅の位置(出典:国土地理院地図を加工して作成)

 次の写真は、蟹田川に架かる鉄道橋を撮影したものだ。盛土が流出し、橋桁がなくなった前掲の写真とは違う場所だと思われる。上流から流れてきた大量の流木が橋脚に引っかかり、橋桁の高さあたりまで積み上がっている。この橋は持ちこたえたものの、大雨による水流は橋桁や盛土が流されてしまうようなすさまじい勢いだったことが想像できる。

蟹田川に架かる津軽線(津軽二股-大平間)の橋を下流側から撮影

 この状況を見てわかるように、引っかかった流木を取り除く作業は行われていない。被害拡大防止のための処置は実施したそうだが、本格的な復旧工事は始まっていないと思われる。

橋とは反対側(下流側)を撮影。流木が折り重なり、川の一部を堰き止めていた

ほかの駅と様子が違う!?中小国駅

 山間部を通り過ぎると、田園地帯となり、大平、中小国(なかおぐに)という2つの駅を経て、蟹田に続く。

大平駅(外ヶ浜町)。正面に見える高架は北海道新幹線