実は民主党の議員の間からも、処理水問題に対する強硬な場外闘争の進め方に懸念の声が上がっているという。民主党は処理水放出に反対できても、それを阻止することはできない、という反省が聞かれるようになってきた。

 グロッシ事務局長を罵倒した民主党は国際社会では誰も相手にしなくなったことを思い知るべきである。韓国国内で民主党が歴史問題や処理水問題でどのような主張を展開しようとも、日本では全く見向きもされないだろう。

国際的にも責任ある政党と認識されなくなった民主党

 民主党と一緒になってIAEA批判をするのは、日本の立憲民主党や社民党などの野党以外では、中国と北朝鮮くらいのものである。

 中国は外交部報道官の定例記者会見で「IAEAは日本側の海洋放出の正当性と合法性を証明できず、日本が負うべき道義的責任と国際法上の義務を免除するものではない」と声を荒らげた。

 北朝鮮は9日、国土環境保護省対外事業局長名でIAEA報告書について「想像するだけでおぞましい核汚染水の放出計画を積極的に庇い、助長する」として非難する声明を出した。また、グロッシ事務局長については、北朝鮮の核開発を非難する一方で、日本の汚染水放出を擁護しているとして「極端なダブルスタンダード」の典型と非難した。

 民主党・中国・北朝鮮は、IAEAが報告書で示した科学的な根拠には耳を傾けず、狂牛病闘争で先導役を務めた、ミン氏が反省の弁で述べた「政務的判断が専門家の判断より優位にあるという世界観を持っているのが学生運動出身者」と何ら変わらない。民主党の実態を韓国国民が直視することが韓国政治の健全化につながっていくだろう。