日本でも一部の野党にしか相手にされない民主党

 韓国の処理水放出反対派の国会議員は、日本にもやってきた。

 民主党議員と無所属の議員(尹美香議員と梁貞淑議員)で構成される「福島核汚染水海洋投棄阻止国会議員団」の10人が7月10日に来日し、首相官邸前で抗議集会を開催するなどしたのである。これには日本の市民団体「さよなら原発1000万人アクション実行委員会」なども同行した。

 また民主党議員らは参議院議員会館前でも座り込みを行ったが、このとき掲げていた横断幕には「福島核汚染水の海洋投棄反対!」などの文字こそ見えるが、ほとんどはハングルで書かれたもので、韓国国内からも「国内向けアピール?」と揶揄される有様だ。

7月10日、韓国の原発処理水反対派の議員が日本の国会前で座り込みを行った。ハングルが目立つ横断幕を掲げてのデモンストレーションは、韓国でも「国内向けアピール?」と皮肉られた(写真:ロイター/アフロ)

 また来日した議員団は、日本の超党派議員連盟「原発ゼロ・再エネ100の会」の共同代表・近藤昭一衆院議員(立憲民主党)や事務局長の阿部知子衆院議員(同)と面会。続いて、福島瑞穂氏ら社民党議員団とも面会した。

 ちなみに社会民主党の大椿裕子副党首は、7月上旬に訪韓。韓国野党の正義党や民主党の議員と面会、福島第一原発の処理水海洋放出反対で連携していくことを確認してきている。

 この時のことを、「朝鮮日報」は<日本で3議席しか持たない没落野党・社民党と手を組んだ韓国167議席の第1党・共に民主>とのコラム記事(7月7日付)で、皮肉的に取り上げた。

 同記事にはこう書かれている。

<韓国で167議席を持つ共に民主党が日本で0.4%の議席しか持たない没落した政党と連帯しているのだ。共に民主党が社民党から学ぶべきことは国際的な連帯ではなく、時代に逆行した政党の末路ではないだろうか>

「処理水放出反対」、「反日」、「反尹錫悦政権」のためなら、すがれるものはなんでもすがろうという民主党の哀れさを、韓国世論も感じ取っているのであろう。