ミン氏は、処理水放出問題は狂牛病問題のようにはならないだろうと言い、こう述べている。

「狂牛病に関しては当時韓国に専門家がいなかった。逆に処理水は、声を上げる専門家がいる」

「私も韓国科学技術院(KAIST)原子力科の教授の話を信頼する」

「国民の目で見て、(民主党の)意図が不純だという考えが広がっている」

 だが、いまのところ民主党の“運動”が終わる様子はない。

韓国のテレビ局の悩み「処理水放出に反対する科学者が見つからない!」 

 朝鮮日報によれば、逆にテレビ局では、処理水放出に反対する科学者の出演のオファーに困難を来しているという。これまで、「汚染水の放出は危険だ」と主張していた専門家が、13年に「福島原発事故が韓国の海に及ぼす影響は微々たるもの」と正反対の主張をしていたことがわかり、時事・討論番組から姿を消した。

 各放送局では「汚染水の放出が問題になることはない」と主張する科学者はすぐに見つかるが、「汚染水の放出は危険だ」とする科学者は事実上、ほとんど見つからず、環境運動を展開する市民団体に主に出演オファーをしている有様だという。

 放送局としては敢えて科学者を出演させる必要はないという指摘もあるそうである。科学の問題としてアプローチすれば、危険性を主張する人々の方が不利になることを制作スタッフの人々は本能的に知っている。「だからニュースでも、与野党の主張が対立する『論争問題』としてテーマを扱っている」そうである。

 なんとも姑息なやり方である。