世界各地で「変調のシグナル」が点滅中

 問題は、この状況がいつまで続くのか。いや、バブル現象がいつ弾けるか、である。過去最高規模の膨れ方をしているだけに、その反動が恐ろしい。世界経済の現況を見渡すと、すでに危険なシグナルが点滅しているという。どういうことか。グローバルエコノミストの斎藤満氏がこう指摘する。

「米国がインフレ対策で金融引き締めを続けていることでドル高基調となり、対外債務を多く抱えている新興国の経済に影響が及んでいます。アジアやラテンアメリカの新興国では通貨安から輸入が減少している。目立たない動きですが今後注意が必要です。

 今後の世界経済を見るうえでやはり注目は米国経済でしょう。金融引き締め下でも、ウクライナ情勢の影響で軍需関連産業が潤い、全体的には堅調です。ただし、ここへきて商業用不動産市場に危機感が漂っています。

 FRB(連邦準備制度理事会)は6月こそ利上げを休止しましたが、7月は再び利上げに動く可能性があります。そうなると、不動産に投融資している中小金融機関やファンドは大きなリスクにさらされるうえ、金利上昇を嫌気して資産価値が下落する恐れがあります。米国の不動産バブルが弾けるかどうか、気にかかるところです」

 米国ではFRBの金融引き締め政策による米国債の価格下落などで中堅銀行の破綻が相次いだ。またローン金利の上昇などを受け、不動産市況の悪化が顕著となっている。コロナ禍でのテレワーク浸透でオフィス需要が低下したことに加え、相次ぐ利上げで景気の先行き不透明感が漂い、商業用ビルの空き室状況が高まる一方だという。

 米国の株式市場も一本調子の上げではない。6月16日は、FRBの金融引き締めが長期化するとの懸念から売りが優勢となり、前日比108ドル94セント安の3万4299ドル12セントで引けた。先行きを不安視する投資家は少なくないのだ。