地方都市でもマンション用地を確保するのが難しくなっている(写真は札幌市)

(山下 和之:住宅ジャーナリスト)

 全国の都道府県でマンションの戸数が最も多いのはもちろん東京都で、マンションといえば三大都市圏中心というイメージが強いが、近年は地方でもジワジワと広がりつつある。

 不動産データバンクの東京カンテイでは、毎年『マンションストック戸数ランキング』を作成している。全国のマンションストックを調査し、総戸数のランキングのほか、さまざまな切り口での分析を行っているが、マンションが意外な形で全国に広がっていることがうかがえる調査結果となっているので紹介しよう。

 まず、2022年末現在の都道府県別のストック数をみると、【グラフ1】にあるように東京都が約198万戸のトップで、2位が約100万戸の神奈川県、3位が約86万戸の大阪府だった。東京都に次いで神奈川県も100万戸の大台に乗せた。


拡大画像表示

 上位の顔ぶれをみると、首都圏、近畿圏の都府県が並び、それに福岡県、愛知県、北海道などが続いている。アジアへの玄関口として注目度が高まる福岡県は愛知県よりストック数が多くなっており、北海道は近畿圏の京都府より多い点などが注目される。

 この調査では、全ストックのランキングとは別に、築10年以内のストック数と、そのシェアも調査している。そこで注目されるのが沖縄県のシェアの高さだ。