福岡、兵庫、大阪のストック増加が目立っているワケ
都道府県から主要行政区別に落とし込んでランキングを作成すると、【グラフ3】のようになる。トップは東京都江東区の約12.9万戸で、2位が東京都世田谷区の約11.2万戸、3位が東京都大田区の約11.0万戸だった。江東区では、このところ湾岸部での超高層マンションの竣工が続いており、ストックの増加が目立っている。
主要行政区別のストック数ランキングをみると、11位までは東京23区が占めるなど、首都圏の主要行政区が上位に並んでいるが、首都圏以外でも、14位に福岡県福岡市中央区、15位に兵庫県西宮市、16位に大阪府吹田市などが入っている。
福岡市はコロナ禍前からアジアの玄関口としてインバウンド需要が高まり、地下鉄の延伸などもあって、中心部での大規模マンションの開発などが増えている。【グラフ3】にあるように、築10年以内のシェアも18.7%と比較的高い。
兵庫県西宮市、大阪府吹田市は、近畿圏でも人気の高い住宅地であり、とくに西宮市の阪急神戸線の「西宮北口」駅は、各種の住みたい街ランキングの上位につけており、大阪府吹田市も、大阪市に隣接する利便性の高いエリアでありながら良好な住宅地が形成されており、マンションの開発が進んでいる。
グラフにはないが、大阪市中央区は築10年以内のシェアが39.1%と主要行政区別では最も高く、大阪市北区も35.3%となっている。シェアが30%台を超えるのは、大阪市の2区以外では東京都台東区、東京都北区だけにとどまっている。
大阪市中央区、大阪市北区といえば、大阪市の中心部のビジネス街、ショッピング街が中心のエリアだが、最近では活発な都市再開発が進んでおり、超高層マンションが林立するようになっている。特に、梅田、本町、北浜などのビジネス街の超高層マンション化が進み、最高価格5億円、10億円といった富裕層向けの高額マンションも登場するようになっている。
また、梅田ではJR大阪駅に隣接する梅田貨物駅跡地の再開発エリア「うめきた」があり、総戸数1000戸を超える大規模マンションが開発されている。