それにもかかわらず民主党は、尹政権の対応について、「『安全性が確保されなければ放流に反対する』という明確な原則を貫徹できなかった。現地視察団派遣合意はむしろ汚染水放流用の名分だけ積むものではないか懸念される」と批判した。
まさに、科学に基づいた客観的根拠に基づくというより、何でも反対するという姿勢である。
韓国政府の視察団が背負う重い任務
日韓首脳会談で派遣が決定された韓国の福島原発視察団は、非常に難しい任務を背負わされたと言える。「安全性に問題がある」と言えば、日韓の外交問題に発展するであろうし、「安全性に問題はない」と言えば、民主党から「汚染水放出のためのアリバイづくりのための視察だった」と批判されるのが分かり切っているからだ。どちらの結論を下すとしても、国内での大きな摩擦はさけられない。
そのため、今回の視察団は劉国煕(ユ・グクヒ)原子力安全委員長を団長とし、韓国原子力安全技術院(KINS)の原発・放射線専門家19人、韓国海洋科学技術院(KIOST)海洋環境放射能専門家1人など21人で構成され、客観性を確保すべき最善のメンバーで編成された。
同視察団は5月21~26日の日程で訪日し、東京電力や経済産業省など日本の関係機関と視察詳細について話し合い、福島原発の施設も確認した。
視察団の団長は、視察を終え、仁川国際空港に到着した際に、取材陣に対して「今回の視察が終わりではない」と述べ、近いうちに今回の視察結果を公開した後、追加で要請した資料の分析などを加えて最終総合評価を発表する予定であることを明らかにした。