空振りに終わった民主党議員団の福島訪問

 そうした中でも、この問題を政治争点化させたかった「共に民主党」の所属国会議員からなる「福島原発汚染水放出阻止対応団」は4月6日から3日間の日程で福島を訪問、福島原発周辺の汚染を既成事実化しようとした。

 ところがこの民主党議員団は、日本側の議員連盟から面会を拒否され、目論んでいた東京電力本社訪問・資料要求についても、原発関連の同社幹部に会えず終いだった。もちろん福島第一原発の訪問許可も得られず、仕方なく原発から約10キロメートル離れた浪江町・請戸港の防波堤を訪れ、地方議会議員1人、現地住民1人、病院院長1人の計3人と面談するにとどまった。

共に民主党「福島原発汚染水対策団」所属の議員らが5月7日、福島第一原発付近の防波堤を訪問し、今回の来日の趣旨について取材陣に説明した(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 結局、民主党議員は、地元福島で反原発を唱える住民や漁業関係者、関連団体、公安調査庁が「中核派系」としている医療機関の従事者などと面会しただけであった。さすがにこれには、民主党議員からも「実益のない行動」という懸念の声が上がったという。

 こうした行動を見ても分かるように、民主党の「処理水放出」批判は、科学的な根拠に基づくものというより、国内における政治的意図に基づくものと言わざるを得ないだろう。