尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国政権の日韓関係改善に向けた「決断」が韓国内で大きな抵抗に直面している。
李在明(イ・ジェミョン)党代表の検察起訴を控え、反日攻撃で危機を突破しようとする「共に民主党」勢力と民主党寄りのメディアは、尹大統領の訪日期間中の一挙手一投足を問題視して大々的な大衆扇動に乗り出した。韓国国会では民主党の主導のもと、「対日屈辱外交の責任を問う」と朴振(パク・ジン)外交部長官の弾劾を進めようとしている。
「尹大統領が日の丸に敬礼した!」
政治家としてのキャリアが浅い尹大統領は、これまでの外遊でいくつかの儀典ミス犯しているのだが、政権に好意的でない韓国メディアと野党は、今回の訪日に際しても、虎視眈々とミスに目を光らせていた。
日本のNHKにあたる韓国の公営放送KBSは、尹大統領と岸田文雄総理が会談場所の総理官邸に入って儀仗隊に出迎えられる場面を生中継したが、そのとき「尹大統領が日の丸に敬礼をする場面を見ている」と実況した。だがこれは「フェイクニュース」で、与党支持者からも猛批判を浴びた。
実際の場面はこうだ。儀仗隊は日の丸と韓国の太極旗を掲げて立っていた。官邸に入ってきた尹大統領と岸田総理は、それぞれ相手国の国旗に向かって一礼したのだ。
しかし、KBSのカメラは日の丸と頭を下げる両首脳だけを映し出し、「日の丸に敬礼する姿」と報道した。