(写真:CFoto/アフロ)

 ウクライナからウォロディミル・ゼレンスキー大統領を迎えて、大成功に終わった先週の広島G7サミットだが、中国は「標的にされた」と怒り心頭である。

 サミットが終了した5月21日夜、日曜日夜という異例の時間帯にもかかわらず、外交部の孫衛東(そん・えいとう)副部長(外務次官)が、垂(たるみ)秀夫日本大使を外交部に呼びつけて抗議した。

 だが、実は中国が最も恐れていた事態は、サミット開幕前日の18日に起こっていた。

世界の半導体大手トップが首相官邸に集結

 この日、岸田文雄首相が、半導体に関する連携強化や日本への投資要請のため、世界の半導体7社(米インテル、IBM、マイクロン、アプライド・マテリアルズ、ベルギーのimec、韓国のサムスン電子、台湾のTSMC)のトップらを首相官邸に招いた一件だ。

 官邸関係者が「7人の侍」と呼んだ面会者の中で、岸田首相がひときわ重要視していたのが、マイクロン・テクノロジーのサンジェイ・メロートラCEOだった。何せお膝元の広島で巨大な半導体工場を稼働させており、さらに最大で5000億円も投資して、次世代半導体を生産しようとしているからだ。