5月31日早朝、北朝鮮が弾道ミサイルを発射すると日本全国にJアラートが鳴り響いた(写真:ロイター/アフロ)

ミサイル発射の「二つの意図」

 5月31日早朝、太平の眠りを覚ます北朝鮮の「弾道ミサイル」が降って来た。日本では沖縄県に「Jアラート」が鳴り、梅雨の合間の曇り空の中、日本全土がものものしい雰囲気に包まれた。

 防衛省も午前6時半過ぎ、「北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されました。続報が入り次第、お知らせします」と第一報を発表。岸田文雄首相も、7時過ぎに険しい表情で官邸に入った。

 北朝鮮は、昨年は37回、今年は今回を含めて13回ものミサイルを発射している。特に、昨年から数えて50回目となった今回は、「5月31日から6月11日までの間に人工衛星を打ち上げる」と、事前に日本に通告していた。

 日本が騒然とするのはむべなるかなだが、今回の北朝鮮の意図も把握しておく必要がある。以下の「二つの意図」を鑑みれば、少しは北朝鮮のミサイルに対する「恐怖心」が和らぐのではないか。

4月13日に大陸間弾道ミサイル「火星18」の打ち上げに成功し、喜ぶ金正恩総書記。李雪主夫人や娘のジュエ氏、妹の金与正氏も笑顔を見せている(提供:Office of the North Korean government press service/UPI/アフロ)