NHK大河ドラマ『どうする家康』で、新しい歴史解釈を取り入れながらの演出が話題になっている。第19回放送「お手付きしてどうする!」では、武田信玄との激戦で大きな犠牲を払い、ショックを受けた徳川家康が美しい侍女のお万に介抱されて心を許し、妊娠させてしまう。子ができたのはめでたいことだが、正室の瀬名(築山殿)は怒り心頭で・・・。今回の見どころについて、『なにかと人間くさい徳川将軍』の著者で、偉人研究家の真山知幸氏が解説する。(JBpress編集部)
「伊賀越え」の前に気になる瀬名と信康の運命
徳川家康が直面した「三大危機」とされているのが、「三河一向一揆」と信玄との「三方ヶ原の戦い」、そして本能寺の変後の「伊賀越え」である。
今回の大河ドラマ『どうする家康』では、家康の生涯における重要なイベントについては、2回分の放送を使うこともある。「三河一向一揆」は第8回放送「三河一揆でどうする!」と第9回放送「守るべきもの」にて、「三方ヶ原の戦い」については第17回放送「三方ヶ原合戦」と第18回放送「真・三方ヶ原合戦」で取り上げている。
「三大危機」のうち2つが終わった今、本能寺の変後の「伊賀越え」 についても盛り上げてくれそうだが、その前に気になることが・・・という視聴者も多いはず。そう、家康の正室である瀬名(築山殿)と、家康の嫡男である信康の運命である。
今回の『どうする家康』では、家康と瀬名(築山殿)を仲むつまじい夫婦として描いている点が序盤から注目された。というのも、史実において、瀬名は家康の命令によって、嫡男の信康とともに“非業の死”を遂げたとされている。
果たしてどう描かれるのか。第19回放送「お手付きしてどうする!」では、いよいよ不穏な空気が流れ始めてきた。見どころポイントを解説していこう。