岸田首相のウクライナ訪問と同様

 広島空港に飛来したG7各国の政府専用機にも、このADS-Bを使っていたものがあったようである。そのためゼレンスキー大統領が乗ったフランス政府専用機もフライトレーダー24によって、下記の写真のようにサウジアラビアからインド南部、ミャンマー、そして中国本土の上空を飛行して広島空港に到着する約13時間のフライト情報が話題になったのである。

ゼレンスキー大統領が乗ったフランス政府専用機の飛行経路(フライトレーダー24より)
拡大画像表示

 フランス政府の専用機のパイロットが、なぜトランスポンダーのモードSによるADS-Bの電波を発信させていたのか理由はわからない。

 3月に岸田文雄首相がゼレンスキー大統領と電撃会談した際、インドからポーランドへマルタ島のプライベートジェットをチャーターして飛んだ時と状況は似ている。日本政府は報道陣には知らせていなかったが、チャーター機の飛行情報はフライトレーダー24でも見ることができた。

 いずれも「誰が乗っているか」まではトランスポンダーでは分からないものの、筆者は危機管理上、違和感がある。政府はチャーター機のパイロットにADS-Bについてどういう指示をしていたのか。

 一方でバイデン大統領が乗ったエアフォースワンは、米軍岩国基地に着陸するまでフライトレーダー24でその姿を見ることはできなかったようだ。

 ではエアフォースワンはどのように飛行情報を隠して飛んでいるのか?