完全秘密で飛行したエアフォースワン

 考えられるのはトランスポンダーのスイッチを切って管制官とは無線で位置通報するという方法である。無線に使う周波数は任意にいくらでも設定できる。加えて横田基地などとの通信は、例えばIFF(敵味方識別装置)や暗号化されたデジタル通信装置などが使われ、民間では受信不可能とも言われている。

 バイデン大統領は、米軍岩国基地からサミット会場までは大統領専用ヘリコプターVH-3Dを使ったが、それもエアフォースワンと同様、ADS-Bも含めすべての情報システムを操作して民間には分からないようにして飛んだ。

 以上、G7サミットでの政府専用機の運用について述べたが、私個人としては、日本の政府専用機も米国の運用を参考にして、一段と機密保持に努めた方が良いと思っている。