ウクライナのゼレンスキー大統領(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

(国際ジャーナリスト・木村正人)

自由ロシア軍団とロシア義勇軍団が露に侵攻

[ウクライナ中部クリヴィー・リフ発]米シンクタンク「戦争研究所(ISW)」によると、ロシア人からなる「自由ロシア軍団」と「ロシア義勇軍団」が22日、ウクライナから国境を越え、露西部ベルゴロド州に侵攻した。両軍団とも「反プーチン」を掲げる、ロシアの反政府組織だ。

 両軍団の侵攻に関してウクライナのミハイル・ポドリャク大統領府長官顧問はツイッターで「地下のパルチザン集団はロシア国民で構成されている」と、ウクライナによる直接の関与を否定した。

 ロシアはこの自国民による“破壊工作”に衝撃を受けているようだ。

 侵攻されたベルゴロド州のヴャチェスラフ・グラトコフ知事は22日、自らのメッセンジャーアプリ「テレグラム」チャンネルで、集落や町が砲撃や無人航空機(ドローン)攻撃を受けたとして「住民の安全を確保する」ため対テロ作戦を開始すると発表した。8人が負傷したものの、民間人に死者は出ていないという。同知事は避難した住民にはまだ自宅に戻らないよう呼び掛けた。

 自由ロシア軍団は、2つの軍団は国境を越えコジンカの集落を制圧、グレイヴォロンの町にも部隊を送っていると主張している。