蔡局長はファイブアイズとの関係についても、中国の軍事力増強やその動きについて情報を共有しているとしている。
4カ月の兵役を1年に
台湾は、活性化する中国の軍事活動を受け、安全保障体制を強化し始めている。
2022年末には、従来は4カ月だった徴兵制の兵役義務を、2024年から1年に延長する決定をしている。台湾では、男性は18歳になると兵役の義務があるのだ。
さらに、有事に向けて、米軍からの軍需物資の購入や、衛星によるデジタルコミュニケーションを実現する方針を進めている。蔡局長の言うインテリジェンス共有強化もその一環だろう。
とはいえ、ますます軍備を増強する中国の攻撃を、台湾単独で完全に食い止めるのは不可能との見方もある。
数年前のことだが、筆者が米軍関係者と雑談している際に、彼から台湾についてこんな言葉を聞いた。
「米軍は台湾が中国に軍事侵攻される可能性を想定しているが、米国は基本的に、米軍が援助に到着するまで持ち堪えることがきるよう台湾に武器などを提供する方針である」