イエスマンに囲まれることで台湾侵攻の判断下す可能性を警戒
蔡局長は、習近平国家主席についても言及している。
「(習近平は)自分と異なる意見を受け付けない。そうなると、間違った判断を犯すリスクが高まることを意味する」
つまり、習近平の周りにはイエスマンが集まっていて、それによって誤った決定が下されて台湾への軍事侵攻が行われる可能性を示唆しているのである。
これは、2022年2月24日にウクライナへの侵攻を始める決断をしたロシアのウラジーミル・プーチン大統領の姿に重なる話だ。モスクワで勤務したこともあるアメリカの元情報機関関係者は、筆者の取材に対し、プーチンは周囲を仲間内で固めており、彼にとって耳障りのいい情報ばかりが集まっていたため、ウクライナ侵攻でも「いくつもの誤った判断をしている」と分析していた。