空き缶拾いの恐るべきライバル

 空き缶収集は簡単なようで、意外と難しい。

 筆者も空き缶を収集してみようと都内各所をウロついてみたが、今の日本に空き缶は驚くほど落ちていない。空き缶を集めるなら、ゴミ集積所や販売機のゴミ箱から強奪するほかないのだ。

「何曜日の何時頃にどの町内のどこに行けば空き缶があるか、野生のカンみたいなのが働くんだよ。鷹や鷲が高いところから獲物を狙うような感じかな」

 空き缶は早いもの勝ち。しかも、いつ誰が空き缶を捨てるかは予測が難しい。ライバルはホームレスのほかに、30〜80代までの男女だという。

 Gさんは夕食を終えた20時頃から回収を開始する。時には夜明け前まで自転車で回り、空き缶を集めまくる。

 350ml缶の重さは15g。1kgのアルミを集めるには70個の空き缶が必要だ。自転車の荷台に籠を載せ、さらに前の籠とハンドルにも袋をくくりつけて運ぶ。不安定だが、最大60kgまでは積み込めるそうだ。

 30kgの空き缶を収集するのにおよそ3〜4時間、長い時には7〜8時間くらいかかることもあるという。

 回収したら今度は夜の公園で、缶にねじ込まれた煙草の吸殻やティッシュを除去する。これは決して気持ちのいい仕事ではない。

「僕はこう見えて潔癖症。人が口をつけたものを触るから、1日に何度も手洗いをする。そのせいで手の油分が奪われて、あかぎれがひどくなり痛くてしょうがない。軍手は作業しづらいからはめていない」

 空き缶はハンマーで叩いてぺちゃんこにし、日中に金属リサイクル業者まで運ぶ。

Gさんがリサイクル業者に持ち込んだアルミ缶。これで6kg