メンズエステは一般的なエステとは違う(写真:アフロ)

「あれ、こんなところでおじさんが働いてる......」

 近年、非正規労働の現場で、しばしば「おじさん」を見かける。しかも、いわゆるホワイトカラーの会社員が、派遣やアルバイトをしているケースが目につくのだ。45歳定年制、ジョブ型雇用、そしてコロナ。人生100年時代、中高年男性を取り巻く雇用状況が厳しさを増す中、副業を始めるおじさんたちの、たくましくもどこか哀愁漂う姿をリポートする。

(若月 澪子:フリーライター)

日陰の世界で進むリモート化

 文化庁のメイン機能が京都に移転し、今月から本格的に現地での業務を開始したという。ところが、サテライトオフィスには欠かせないはずのオンライン対応に、暗雲が立ち込めている。

 文化庁が移転前の去年2月、国会議員への説明などでリモート対応が可能かどうかを職員が検証したところ、1度も実現しなかったと言うのだ。え、どゆこと?

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 文化庁の職員によれば、「国会議員にはオンラインへの理解が深まっていない」のだそうで、職員が京都から東京へ馳参じることが予想されるという。Zoom(ズーム)やMeet(ミート)が使えないのではなく、「オレへの扱いをオンラインで済ますな」ということなのか。

 イマドキ闇バイトですら、黒幕が姿を見せない「リモート対応」だというのに。

「仕事はLINEで指示があります。オーナーにはビデオ通話でしか会ったことがありません。カタギの人だとは思いますが、かなりグレーな仕事なので、正直よくわかりません」

 何やら怪しい仕事について語るIさん(46)は、地方の県庁所在地に暮らす中年男性だ。日の当たらない世界ほどDX化は早い。

 Iさんは普段、地元で雑貨店を経営している知人の下で事務を担当している。そのIさんが1年ほど前から始めた「グレーな仕事」とは、マンション型メンズエステなるものだという。

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