「鉄道エンタテインメント」に取り組む
──銚子電気鉄道にとっての3本の柱とは何でしょう?
竹本氏:食品の製造、販売が当社の大きな柱になっています。これを1本目の柱と考えることができます。必要なのはあとふたつです。
いま取り組んでいるのがエンタテインメントで、私どもは「鉄道エンタテインメント」と呼んでいます。
──夏の「お化け屋敷列車」は、銚子電気鉄道の定番になりました。2020年には「電車を止めるな! ~のろいの6.4km~」という映画の製作もありました。これは今でも各地で上映されています。
竹本氏:そのようなエンタテインメントの創造が、鉄道運輸業も含めて、2本目の柱であるといえるでしょう。残りのもうひとつは何か?ということになります。
これについては、いろいろと模索しているところで、そのひとつとして、携帯端末を利用して楽しむ育成ゲームのようなアプリの開発にも取り組んでいます。こうしたものを使って銚子にお客様を呼びたいと考えています。
もともと顧問税理士であったことから、社長に就任したときの銚子電気鉄道の経営状況は、すぐに理解できたが、自身が見てきた会社の中で、これほど状況の悪い会社はなかったという。「絶対に諦めない」と決めた竹本氏に時代も味方したということかもしれない。インターネットによる販売が広がり、千葉の東端にある会社でも全国を相手にできるようになった。必要なのは着想であり、それを広める力。「うまい棒」をもじって発売したお菓子「まずい棒」のヒットもあり、長く赤字が続いてきた会社は、2021年度に単年度黒字を計上した。