子育ては苦痛なのか?
2つめのポイントは、「子育ては楽しい」ということをもっと国民に知ってもらうということです。これまでの少子化対策の文脈では、「人口を維持するために出生率は2.08はないと困る」(人口置換水準)という危機感からのアプローチばかりだったように思います。
しかしそんなアプローチをしても、普通の夫婦が「このままじゃ日本の社会がまずいことになるから、うちでも子どもを3人は作ろう」という発想にはならないでしょう。子どもを作るかどうか、何人作るかは、そのカップルの人生設計や経済環境、生活状況に左右されます。国家への危機感ではなく。
そういう中で社会の中に、「子どもを作っても子育ては手間がかかって大変。お金もかかるし、自分の時間もなくなるし」などという負のイメージが先行していると、子どもを作ろうという気持ちにはなかなかなりません。
しかし3人の子どもを育てている私の実感から言えば、子どもを持ち育てるというのは、親にとって無上の喜びです。それは子どもを持つ親ならば誰しも共感してくれることだと思います。その「子どもを作るのは楽しいし最高の贅沢だ」ということを、政府としても社会全体に再認識してもらえるようプロモーションしていくことが必要だと思います。
「子育てって尊い。子どもを育てるのは最高の贅沢だよね」という機運を社会的に盛り上げていけば、子どもを持つことに意欲的になる人がもっと増えると思います。
