高専生と神山の化学反応

今後、神山の多様性の中に加わる高専生は、どのような化学反応を起こすだろうか

 今後、神山の多様性の中に高専生が加わる。15歳で起業家育成をうたう新設校に飛び込むことを決断したとびきりの“変人”である。在学中か、卒業後かは分からないが、学生と神山との間で何かの化学反応を起こることは間違いない。それは、神山をさらに前に駆動させるプロジェクトになるだろう。

 現に、4月2日の入学式では1期生全員によるプレゼンテーションがあった。プレゼンテーションのテーマは「5年後、どんなモノをつくる力で、どんなコトを起こしたいか」。入学した現時点における自身のコミットメントである。

 プレゼンの存在を知ったのは前日の夕方で、その後、44人が何をどういう順番で発表するのかを話し合った。実際のプレゼンでは、「『どうせむり』をなくす」「ケアロボットをつくる」「自律神経を整えるナイトケアキャップの開発」「不登校の子どもの選択肢を増やす」など、44人がそれぞれの目標を語っていた。

「誰がどういう順番で話して、どういうふうにバトンを回して、どういうカテゴリーに分けるかということを44人で話しているわけで・・・・・・。本当に可能性しかないな、と。自分自身も起業家としてチャレンジする立場なので、負けていられないと感じています」

 入学式の後、寺田はこう語り、率直な思いを吐露した。マクロを見れば、高齢化が進む日本には停滞感が漂うが、前を見据え、自分の言葉で語りかける学生の姿には、日本の未来が垣間見えた。

【著者からのお知らせ】
現在、神山まるごと高専などを軸に、神山で新しいプロジェクトが生まれる理由や神山で移住者が実践している新しい生き方・働き方、神山のまちづくりの本質などをまとめた書籍を執筆しています。恐らく夏~秋には出せそう。新刊情報はJBpressでの記事やTwitterなどでご案内しますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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また、テレビ東京・BSテレ東が展開する日本最大級の経済動画サービス「テレ東BIZ」で「ニッポン・辺境ビジネス図鑑」という配信番組を始めました。シーズン1は「神山編」です。神山で見つけたおもしろい人や新しい動きをリポートしていますので、ぜひご覧下さい!

◎テレ東ビズ:ニッポン辺境ビジネス図鑑 02 KETSU-kun 「すべてがワイルド」