個人投資家も無縁ではない

 信用リスクとは、資金の借り手(資金調達者)の財政難や経営不振により、あらかじめ決められた利息や元本の支払いができなくなる可能性を意味する。

 世界中の中央銀行が金融緩和を長期にわたり続けていれば、世の中に資金が潤沢に供給されるため、資金の借り手は利息(利子)や元本の支払いに余裕が生じる傾向がある。このような時期は、信用リスクが低下している時期といってよい。

 逆に、金融引き締め期や、金融機関が貸し出しに躊躇する金融不安時には、追加資金の調達に窮するようになり、信用リスクは高まることになる。

 この信用リスクへの関心は、銀行などの金融機関や企業だけにとどまらない。個人投資家も、債券などへの投資で、信用リスクを抱えているからだ。

 わが国では、欧米のような金融引き締めに至っていないものの、個人投資家は世界中の債券を保有しているケースが多く、信用リスクに対しても敏感になる必要がありそうだ。

 信用リスクといっても、空気をつかむようで、分かりにくいというのが実態だろう。