米シリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻をきっかけに、米国だけでなく欧州も含めて金融機関が揺れている。 その要因をたずねれば、想定以上に上昇したインフレ率に対して、米連邦準備制度理事会(FRB)が慌てて利上げを急いだことに行き着く。強力な金融引き締めは、米財務省証券の利回りの急上昇(債券価格の急落)を招き、その財務省証券を大量に保有していた金融機関の財務状態悪化を招いたためだ。 本来、中央銀行は、物価の安定をはじめとする健全な経済を維持するだけでなく、金融システムの安定も目指しているが、前者のための金融政策が、後者の金融システム不安を巻き起こしてしまったのである。 注意しなければいけないのは
芽吹き始めた金融システム不安、拡大傾向の信用スプレッドは何を意味するのか
過去の大きな危機で現れた“現象”に注意せよ
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