警察以外にも広がる「裏金」犯罪
裏金犯罪は、なにも警察だけの問題ではありません。実は、検察や裁判所も、莫大な裏金を作っています。
一般市民から見れば、警察官や検察官、裁判官は、信頼される仕事をしている人のはずですね。でも、彼らが架空のニセ領収書を作って請求し、国民の血税を「裏金」として、なんとも思わずに懐に収めてきたのは事実です。裁判官も認めざるを得ないでしょう。
しかし、彼らはそんなこと、なんとも思っていません。暮れにはみんなで「いい年だったなあ」と酒を酌み交わし、正月を迎えれば、「何やってもいいんだよ、何をやっても、どうせ困ったら市民は警察に来るんだから」そんな話が本当に、毎年出るのです。
私は、格闘技で計八段を持っています。一対一で闘ったら負けません。しかし、もし列車の中で女性に痴漢をしたと言われ、逮捕でもされたら、おそらくおしまいです。ですから、電車に乗るときは、必ず電車の中では両手を上げています。もちろん、ホームの端には立ちません。日本の司法というのは一人の人間を殺すことくらい簡単ですからね。
でも、私自身は命を捨てることを覚悟しているから、今の活動ができるんです。
2009年12月、私は、冤罪にもかかわらず17年間も収監されていた足利事件の菅家利和さんに松山でお会いしました。私は元警察官として、彼に「すみません」と謝りました。すると、菅家さんはこう言ったのです。
「他の警官には謝ってほしいが、私は仙波さんだけには謝ってほしくない。あなたは裏金に染まらず、正義を貫いてくれた、だからあなたは謝る必要がありません」
足利事件も当初、マスコミは警察発表をうのみにして、菅家さんを犯人だと書きたてました。物事を正しく報道するのが報道機関の使命ですが、残念ながら今の世の中でそれは期待できません。