「日本は規制が多いから」は事実誤認
また、日本は欧米に比べて規制が多いという意見もあるがそれは事実誤認である。
特に欧州では門限がある空港も多く、厳しい制限がなされている。そしてそこでの運用は住民、自治体との長い話し合いの結果から決められてきた歴史の産物であることを忘れてはならない。
著者の経験から、空港の門限に対し航空会社やパイロットがどう向き合っていくべきかをアドバイスするならば、門限に対し余裕のあるオペレーションを行ってほしいということに尽きる。
現場では「間に合うかどうか分らないが、イチかバチかやってみよう」という雰囲気になるのも理解できる。だが、失敗した時の混乱と乗客の失望も考えておくべきであろう。
加えて何よりもハリーアップ症候群(時間に追われ注意力が散漫になること)によってパイロットがミスをしたり、プレッシャーで心身が疲弊したりすることは、事故や重大インシデントを生み出す原因になるので避けなければならない。
そのためには運用時間ギリギリになるオペレーションではなく、余裕を持ったオペレーションと判断をすることが求められている。