それに対し、今般問題となった福岡空港では、JAL331便の後続のうち当日の羽田空港における悪天候の影響で遅延した便に対しては門限である22時を越えての着陸を認めた。
著者は現役の時に福岡空港の門限に直面したことがなかったので運用の詳細を初めて知ったが、福岡空港を運営する福岡国際空港によると、天候不順や空港混雑などの場合は例外的に時間外の着陸を認めているという。
ただ、着陸を許可されなかったJAL331便は羽田空港での整備等に時間をとられていたために、出発前時点で福岡空港側から「(もし門限に遅れても)深夜特例が認められる不可抗力にあたらない」と連絡を受けていたとされる。
福岡空港は精一杯の対応をした
これに対し一部メディアやネット上では、乗客のその後の迷惑を考慮して「杓子定規的な考えは改めるべき」という意見も出ている。とはいえ、福岡空港側としては精一杯の対応をしたのであり、原則を拡大解釈すれば門限の本質的意味がなくなるので、そうした批判は当を得ていないと言うべきであろう。
筆者も現役の時には、特にJALがベースとしている成田国際空港と伊丹空港、それに香港の旧啓徳空港の門限にはかなり悩まされることがあった。いずれも、たとえ1分たりとて延長を許してくれない厳格な運用がなされていたからだ。
背景には、人口密集地域における騒音対策など、さまざまな歴史的経緯があった。
