ロシアの主力戦車T-90に対抗するため特別に設計されたレオパルト2

ロシアの第三世代主力戦車「T-90」。2021年 5 月 、モスクワで開かれた、ナチスドイツに対する戦勝記念日の軍事パレードで撮影(写真:ロイター/アフロ)

 ウクライナはメンテナンスが簡単でロシアの第3世代主力戦車T-90に対抗するため設計されたドイツ製第3.5世代主力戦車レオパルト2を欲しがっている。現在、配備されている戦車は旧ソ連製で故障しやすい。英BBC放送によると、レオパルト2は欧州を中心に2000両以上あり、ゼレンスキー氏は300両もあればロシアを打ち負かすことができると考えている。

 ロシアの脅威にさらされるポーランドやフィンランドはウクライナにレオパルト2を供与することを望んでいるが、慎重なオラフ・ショルツ独首相は国内の輸出管理に基づき、なかなか許可を出さない。しかもドイツ通信社(DPA)の世論調査では43%のドイツ国民がウクライナにレオパルト2を提供することに反対している。賛成は39%に過ぎない。

 一方、第三国によるレオパルト2供与を認めるべきだとの声は47%、反対は38%だ。

 ポーランドのズビグニェフ・ラウ外相は「ロシアの侵略を撃退するためにウクライナを武装させることを政策決定の観点から躊躇している場合ではない。現にウクライナの血が流されているのだ。これまでレオパルト2の供与をためらってきたツケが回ってきた。今すぐ行動を起こす必要がある」とツイートした。

 米国が主力戦車M1エイブラムスを提供することに同意しなければゴーサインは出さないとドイツが条件を付けたとも囁かれる。これに対しロイド・オースティン米国防長官は「ドイツ国防相はかなり明瞭にM1の提供とレオパルトの提供には関連性がないと言った。(M1の供与がドイツの)錠を外すという考えは問題にもならない」と明確に否定した。