ハノイ駅周辺の住宅密集地を走り抜ける統一鉄道(写真:ロイター/アフロ)

 ベトナム政府が国民の長年の夢である北部の首都ハノイと南部の主要都市ホーチミンを結ぶ高速鉄道計画に関して、日本に支援を要請したとのニュースがベトナムで大きく伝えられた。

 南北に約1650キロと細長く続く国土は、東側が南シナ海に面し、西側はラオス、カンボジアに接しており東西は広い所で約600キロ、狭い所で約50キロとなっている。計画されている高速鉄道はその国土を南北に縦断することになる。

在来線ではハノイ-ホーチミン間が29時間

 すでにベトナムには国土を縦断する「在来線」が存在する。その中のメイン路線となるのがハノイとホーチミンを結ぶ南北線、通称「統一鉄道」だ。ベトナム戦争で一時分断されていたこともあるこの鉄道は、ベトナム人の南北往来を支えてきた。もちろん国内線の航空便もあるが一般市民にはやはり鉄道が馴染みの「移動の足」として利用されてきた。

 しかし非電化で単線の統一鉄道では、ハノイからホーチミンまで29時間もかかるという不便さがあり、高速で走る新たな鉄道の建設が早くから国民の念願となっていた。

ハノイ駅周辺では線路脇ギリギリまでが人々の生活の場となっている(写真:ロイター/アフロ)