日本との関係深いベトナム鉄道

 在来線の南北線は1935年に全線が開通し、その後ベトナム戦争などで北ベトナム側と南ベトナム側に分断された。しかし戦後の1976年に再び南北が開通し「統一鉄道」として南北の大動脈の役割を果たすようになった。

 この在来線の南北線にも日本は協力しており、1993年には南北線橋梁のリハビリ計画を円借款で行い2004年までに19の橋梁を整備している。

 このようにベトナムの鉄道と日本の関係は深く、こうした経緯から高速鉄道計画も「一帯一路」構想により鉄道建設でもベトナム進出を狙っている中国を差し置いて日本に「秋波」を送っているのだ。

中国が手がけるインドネシアの高速鉄道建設には問題がボロボロ

 ベトナム南北を縦断する高速鉄道計画では車両基地を5カ所設け、全区間の60%を高架区間として高速走行を可能にし、30%が地上走行区間、残る10%がトンネル区間となる計画だ。

 この高速鉄道計画には中国も強い関心を抱いているとされる。ただ、中国が受注して現在建設途上にあるインドネシアの首都ジャカルタから西ジャワ州の州都バンドンを結ぶ約150キロの高速鉄道建設は、費用の膨大化、完工時期の遅れ、死者も出る事故などで、中国への風当たりが強くなっている。

 こうしたことからベトナム政府はこの高速鉄道計画への中国の関与を極力排除し、日本の支援を頼みとしているという。