12月10日、臨時国会の閉幕後に記者会見する岸文雄首相(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 今年の日本政治はどうなるのか。焦点は、問題だらけの岸田文雄政権がいつまで続くのか――に絞られてくる。

 昨年末の「防衛増税」に関しては、岸田政権に甘かったマスコミもさすがに「これはただ事ではない」と、その悪質さに気づき、慌てて猛批判を開始した。だが、時すでに遅し。鈍感力の塊である岸田首相はよほどのことがない限り、今年も来年も首相の座にいる公算が大きい。

 衆院の解散がなければ、大型国政選挙は2025年の参院選までないからだ。今年4月の統一地方選で大負けすれば政局になる可能性は否定できないが、政権瓦解までもっていくのは至難の業である。国民の信を得られていない岸田政権を倒す方法はただひとつ、反主流派をまとめられる菅義偉前首相の決起しかない。

年頭にあたりマスコミはまず猛省を

<官邸の雰囲気「ガラッと」一変 岸田流で官僚のびのび?

 岸田文雄政権が4日、発足から3カ月を迎えた。岸田首相は安倍晋三・菅義偉両政権で顕著だった「トップダウン型」の意思決定プロセスを転換し、霞が関の声を吸い上げる「ボトムアップ型」を目指す(略)。>

 ちょうど1年前、2022年1月5日に配信された毎日新聞のウェブ記事の見出しと冒頭部分である(有料会員向け)。「官僚のびのび」という視点は、財務官僚べったりの岸田首相の特質を表現しているという意味では秀逸だ。記事中では一応マイナス要素も盛り込み、バランスを取ってはいるものの、「安倍・菅政権とは異なり、ボトムアップ型で聞く耳を持つからまあ良いではないか」というトーンは一貫している。当時、一事が万事、いわゆる大マスコミは岸田首相に甘かった。強権的な安倍・菅政権よりもマシだ、という一点で評価していたからだ。

 しかし、聞く気もないのに「聞く力」を標榜してきた岸田首相の危うい本質をズバリ見抜いていた調査がある。経済専門チャンネル「日経CNBC」が、昨年2月8日の放送時に公表した岸田政権の支持率だ。「岸田政権を支持するか」との問いに、「いいえ」と答えたのが95.7%、「はい」はわずか3.0%にとどまった。回答しているのは主に投資家である。生きた経済をみている投資家は、早い段階から岸田首相の無能ぶり、経済政策の中身のなさに気づいていた。

 調査結果はこちらで確認できる→https://www.nikkei-cnbc.co.jp/information/1914355